エスプレッソのレシピ(どう考えるのか?)
こんにちは。
先日の更新から少し時間が経ちました。
次のトピックについて書こうと思ったら案外時間がかかりました。。
皆さん、コーヒー楽しんでますか?
もし色々やってみて、何か質問があればコメントなどで頂けたらできる限りお答えしていきます。
トピックに入っていきましょう。
今回はエスプレッソについてです。
日本でエスプレッソのレシピや調整ほど謎に包まれたものはないと僕は今でも思っています。
ネットでコーヒーの良質な情報が共有される中で、エスプレッソのレシピに関しては調べても本当に情報が少ない、、と感じます。
またドリップと数値的なものがかなり変わってきますので、戸惑うことがあるかもしれません。
しかしコーヒーの抽出は同じ原理といいますか、理論、要素がわかればレシピを適切に変えられ、味わいが調整できますし、ドリップなどのフィルターコーヒーを淹れる方にも参考になりますのでよかったら読んでみてください。
ちなみに僕自身の経歴は、バリスタは8年していて、スぺシャルティコーヒーのエスプレッソについては専門店で5年ほど調整を経験しています。
焙煎度は浅煎り〜中煎りの主に大会レベルのクオリティーの豆を扱ってきました。
現在は中国企業の日本初進出のコーヒー店でクオリティーコントロールを担当していて、もう少し多様な焙煎度やブレンドのエスプレッソの検証やレシピ作りもしてきました。
それではここからエスプレッソについてどっぷり入っていきましょう☕️
今回の記事はこんな方におすすめです。
エスプレッソのレシピ(どう考えるのか?)
今回は実際に店舗で行った調整を例にしてどのようにレシピ調整していくのか説明していきます。
コーヒーはトップスペシャルティのケニアのウォッシュトで中煎りの焙煎度です。
①抽出量(=bevarage,out)を決める
まず抽出量(g)を固定します。
ドリップでもそうですよね。
今回のbevarageはダブルショットで45gのエスプレッソを抽出しようと思います。(シングルショットだと22.5g前後となります。)
テイスティングするときはショットごとのブレがないように基本はダブルで味をみます。
②最初の粉量(=dose,in)を決める
これはいわゆるブリューレシオを決めるところです。
エスプレッソでも味わいに大きく関わるところです。
最近はまず少ないdoseから試します(高いレシオから試す)。
豆のポテンシャルが引き出すため、高いレシオで、粒度を細かめにしてあげて収率をあげるイメージです。豆の最大のポテンシャルが知りたいと言ったところです
今回は20gのdoseからスタートします。(レシオは45g÷20g=2.25となります)
ここでコーヒー粉を入れるバスケットのサイズも実は考慮に入れます。
適正なディストリビューション(粉の均一な分配)とシャワープレートまでの距離ができるかを考えます。
現在、VSTバスケット20gを使っているので、22g以上はあまり詰めたくなくて、できれば19g〜21gあたりにdose量をしたいと考えています。
③メッシュ(粒度)を動かす
さて1回目落とした時に、16secで45gのエスプレッソが取れました。(try1)
テイストはサワーで、濃度は薄く、質感も弱く物足りませんでした。
※この時のメッシュを0とします。
そこでメッシュを細かくして(メッシュ-2)2回目を落とします。(try2)
今度は18secで45gです。抽出状態も悪くありません。
ボディーは先ほどよりは出てきた印象ですが、もう少し濃度が欲しい印象です。
しかしテイストは特にアフターテイストにどこか穀物のような印象と少しドライで苦々しさを感じます。
もっと濃度が欲しいので細かくしたいのですが、もう既に抽出しすぎのテイストが出ています。
つまりこのレシオでは限界があるとわかりました。
④レシオとメッシュで良い味覚を探る
さて次は、レシオを変えてみることにします(try3)。
21gのdoseでレシオは45g÷21g=2.14(メッシュは-2のまま)
19secで落ちボディーも少し出てきました。(しかし、もう少し濃度はあって良いなという印象)
明るさがありテイストは良いのですが、酸味がややシャープに感じられます。
次は1つだけメッシュを細かく(メッシュ-3)しました。(try4)
同じく19secで落ち、濃度感はよかったのですが、また抽出しすぎの穀物感やアフターのビターをやや感じます。
どうやらこのくらいのレシオではメッシュは-2で良さそうです。
次はメッシュを-2に戻し、doseを21.3gに少し増やしました。(try5)
レシオは45g÷21.3g=2.11
20secで落ち、抽出状態もなかなか安定していました。
テイストは明るくレッドフルーツのようですが、ブラウンシュガーや黒糖のような甘さがついてきます。ボディーはミディアム程度あり、少しシロップを思わせるマウスフィールでアフターも余韻もブラウンシュガーやカラメルのようです。
これで美味しいレンジのエスプレッソが出来たので調整は終わりとなります。
調整からの考察
try3で感じた酸のシャープさ未抽出というよりボディーの弱さによるものであった。
なので細かくしたらネガティブであったが、doseを少し増やすことでボディーの弱さが改善され甘さやポジティブな質感も感じられるようになったというところです。
まとめ
今回は実際の調整を例にとり解説しました。
僕が最近、行なっている調整のポイントは
- 高いレシオで細かいメッシュを試してみる
- 調整は少し大きくレシオ、メッシュを動かしポテンシャルを探る
- 抽出状態を必ずチェックする
というところです。
参考になれば嬉しいです。
今度もっとわかりやすい形で調整を解説できるように色々と考えています!!
それでは皆さん、良いコーヒーライフを。
また次の記事でお会いしましょう!